おすすめの本: S・P・ハービソン 3 世と G・L・スティール・ジュニアの C リファレンスマニュアル

Smalltalk 本にひき続きおすすめ本の紹介です。Trema の大部分は実は C で書かれていますが、C でプログラミングするときに私が手放せない本があります。

「S・P・ハービソン 3 世と G・L・スティール・ジュニアの C リファレンスマニュアル」は C で分からないことを調べるのに一番いい本です。C の聖典として有名な K & R は読み物としては良いのですが、実は調べ物にはあまり使えません。C の JIS 規格書 (JIS X 3010) は本当にすべてが載っていますが、C コンパイラを作るのでも無ければこれを読むのは最終手段でしょう。

そこで調べやすくて読みやすい、となるとこの本しかありません。この本のすごいところは、C89, C99, それ以前の古い C、そして C++ 互換の C (いわゆる Clean C) それぞれの細かいバージョンの違いにきちんと触れつつ解説されていることです。普通、一人の人間がこれらのバージョンの違いを暗記するのは無理ですから、正しい C を書く必要がある職業プログラマにとって大変ありがたい本です。

この本の読み方のコツですが、タイトルにある通りリファレンスですのでこまめに引く習慣をつけるということです。コードを書いてみたけれど少しでも自信が無いときや、開発メンバーで意見が分かれたときにはこの本で必ず調べるようにしましょう。 C の規格書と同じく、この本には必要な知識がすべてが載っています。こまめにこの本を引くことで、まるで C を知り尽した人間が書いたような安全で堅牢なコードが書けるようになるはずです。

しかも、著者を見るとあの G・L・スティール・ジュニアとあります。プログラミング言語界の生きる伝説ことガイ・スティール先生の神通力が伝わってくる良著、まさに一家に一冊レベルの本です。

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